こんにちは!高野山のふもとで酒蔵を営んでいるあつおです。
今回は和歌山県の紀北地域で造られる「川上酒(かわかみさけ)」の原料であるお米について紹介します。
かつらぎ町や和歌山県紀北地域のお酒について興味ある方はこちらの記事も併せて読んでみてください。
Contents
紀北地域のお米づくりについて
皆さんは日本のお米づくりはいつから始まったのかご存知でしょうか?
縄文時代からもしくはそれより前から始められたお米づくりの歴史は古く、紀北地域のお米づくりも1700年前より行われていました。
また、奈良から和歌山湾へと続く紀の川が流れる紀北地域では人の行き来に加えてお米を輸送も行われ権力者への捧げものとしても重宝されました。
今回はそれらを含めた紀北地域のお米の魅力と歴史をお伝えします!
資料から読み解く紀北のお米
粳(うるち)、早粳、中粳、晩粳倶(とも)に品質多く伊都郡の産を上品とす。
紀伊続風土記 第三巻 より引用
江戸時代に書かれたとされる紀伊続風土記には上記の一文が記されています。
また、他のもこの地域のお米は奈良時代以前より貢物としてお米づくりが行われました。
理由として考えられるのが
- 和泉(いずみ)山脈からながれる豊富な伏流水
- 紀の川による水運をいかした輸送
- 瀬戸内式の内陸性気候
などです。
農作物を育てる上で大切なのが水。
かつらぎ町を含めた紀北地域では紀ノ川を挟むように和泉山脈が連なり、そこから豊富な伏流水が流れてきます。
次においしいお米を育る上で大切な気候につながります。
和歌山市内から紀南は海に面し、東北の紀北地域は内陸部になり夏は暑く冬は寒くなります。
この特性が強い、高野山のふもと、400mに位置する天野(あまの)では昔より品質がよいお米が作られる場所といて有名で現在は和歌山県のブランド米「天野米(あまのまい)」が育てられています。
かつらぎ町のお米と中飯降
かつらぎ町には他にもお米に関わる面白い地域があります。
それが初桜酒造があるかつらぎ町です。
かつらぎ町には中飯降(なかいぶり)という名前の場所があります。
ここには西飯降、中飯降、東飯降とあり、すべてに「飯降(いぶり)」という名前がつきます。
これらの文字を分解すると「飯(めし)」と「降(ふる)」という漢字になります。
昔よりその土地の特徴を伝えるために名前が付けられました。
同様に飯降には「飯が降る土地」という名前が付けられ、江戸時代の書物にも中飯降、妙寺(=西飯降)で造られるお酒を最上とする書かれています。
紀北のブランド米 天野米
標高400メートルの冷涼な気候、清涼な水が生む良食味を活かして生産されています。 平成16年9月に「総本山金剛峯寺御用達米」として認定され、高野山世界遺産のPR効果を生かして、「天野米」として高付加価値販売を進めています。
ブランド米「天野米」への取り組み 和歌山県 農林水産部 より引用
和歌山県のブランド米、天野米は標高400mで育てられています。
また、初桜酒造の酒米も初桜の専門の農家さんが丹精込めて作られます。
この地では古くからお米づくりが行わており、この地の氏神である丹生都比売大神に高野山、紀州藩にも献上されたようです。
では、なぜ天野ではおいしいお米ができるのか?
それは気候が関係します。
和歌山県の多くの地域は海に面しており、温暖な地形からみかんに最近ではバナナも育てられています。
一方、紀北地域は山に囲まれた内陸にあり天野はその中でも盆地にあることから更に寒暖の差が激しい土地になります。
夏は暑く、冬は寒い。
それに加えて朝と昼の気温変化も大きいことから良いお米に育ちます。
江戸時代に一層盛り上がった紀北の米づくり
品質の良いお米が育つ紀北地域は江戸時代に更なる発展を遂げます。
それは世界かんがい遺産に登録されている小田井用水(おだいようすい)の開発です。
小田井用水の詳しい内容を知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
http://kishu-kawakami.com/history-of-kawakami-sake/odai-irrigation-canal-blog/
江戸時代以前から紀の川の氾濫と水不足による飢饉によりお米づくりに困っていた紀州藩は小田井用水という今では当たり前に行われている河川から田畑へ水を送る川を造りました。
小田井用水より水不足が解消されるとともに更なるお米の収穫につながります。